年月の記事

焼締めと表現について

陶芸とりわけ焼締め作品はよく

「窯任せ、火任せ」などと、


「これはね〜自然の雄大な大地の営みから産まれた奇跡です〜」

YES「SLOW LIFE 」!!

 

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みたいな捉え方を多くされ 悲しいかな、大きな誤解を産んでいる。

作り手側は窯になんか全く任せてはいないし、

ましてや炎に任せてなんて到底あり得ない。

自らのイメージを具現化すべく、細心の注意で炎を操っているのが実情。

いや、「炎を自らのイメージに作り出している」、と言った方が事実に近いかも

どのような炎を作り出すのか

そこに作り手の技量がかかっているのが

焼締め作品最大の特徴です。

 

「ひよせ」は世界遺産

「ひよせ」の採掘



備前焼で使われる田土(ひよせ)世界遺産、人類の遺産です。

先ず、この備前というあまりにも狭く限られた地域に世界でも類例を見ないありとあらゆる多種多様な土が産出する、という奇跡。普通ここまで違う性質の土が隣り合うようにして存在する事はあり得ません。

隣の田んぼとこっちの田んぼでは全く違う性質の土。地球規模で見ればミリ単位で違う土があると言っても大げさではないでしょう。

その多種多様な土の存在が多様な作家、作風を産み出してきました。作家一人一人の備前焼観が様々なのも、この土の多様性のためです。

また、「ひよせ」は備前焼にとって革命的な還元焼成というモノを発見させるに至ります。

その事によって世界で「類例をみない焼締め陶に備前焼を進化させていったのです。

備前焼のような複雑怪異な焼成状況、焼成過程を経て陶器となる焼き物は焼締め陶ならではの醍醐味。それもこれも「ひよせ」の存在が無ければ発見され得なかった事。

どう考えても世界遺産だ〜