「ひよせ」は世界遺産

「ひよせ」の採掘



備前焼で使われる田土(ひよせ)世界遺産、人類の遺産です。

先ず、この備前というあまりにも狭く限られた地域に世界でも類例を見ないありとあらゆる多種多様な土が産出する、という奇跡。普通ここまで違う性質の土が隣り合うようにして存在する事はあり得ません。

隣の田んぼとこっちの田んぼでは全く違う性質の土。地球規模で見ればミリ単位で違う土があると言っても大げさではないでしょう。

その多種多様な土の存在が多様な作家、作風を産み出してきました。作家一人一人の備前焼観が様々なのも、この土の多様性のためです。

また、「ひよせ」は備前焼にとって革命的な還元焼成というモノを発見させるに至ります。

その事によって世界で「類例をみない焼締め陶に備前焼を進化させていったのです。

備前焼のような複雑怪異な焼成状況、焼成過程を経て陶器となる焼き物は焼締め陶ならではの醍醐味。それもこれも「ひよせ」の存在が無ければ発見され得なかった事。

どう考えても世界遺産だ〜

 

贋作師

「銀花」1978 春



汚名である。

備前の数ある名品を産み出した(笑)贋作師のなかで名誉か皮肉か歴史に名を残してしまうであろう伊原のおっちゃんは異彩を放つ。

伊原のおっちゃんの所には弟子の頃から師匠に連れられてよく遊びに行ってました。

行けば毎回、今取り組んでいる焼き物の話の弾丸トーク炸裂。伊原節炸裂で、、

聞かされたこちらはへとへとになってました。(笑)

伊原光太郎さんは古陶に魅せられ憑かれるように焼き物を作り始め、古陶と見紛うものを作ってしまった天才。

小山富士夫も窯の構造や焚き方をしつこう尋ねて来るけんのう参ったの〜

伊部の陶工は窯んなかぁ汚しすぎじゃ」「小せい窯をぎょうさん焚けぇ」等々名言多数!

ただ作ってただけなのに、売る気さえなっかたのに

骨董屋が「古物です」、とおっちゃんの作った物を売りさばいたばかりに

「備前はもう飽きたから唐津なんかに挑戦しとんじゃ」と少年のようにキラキラの目をしてた。

 

贋物は看る者が看たら一瞬で解る。あのなんとも言えない不気味さ。

おっちゃんの作るものには全くそれが無かったなぁ

せとうちのそこのそこ

やったー!! これでまた新たな古備前が出てくるぞ〜!!(不謹慎かも)笑

期待してた「一昨日丸」が発進しました。

「一昨日丸」とは、日比野克彦さんによる瀬戸内海で海底探査美術館なるプロジェクト。

このプロジェクトは美術的には色々な解釈などがあるのでしょうが、

一愛陶家としましては、眠れる陶磁器の発見に今から胸躍らせています。

瀬戸内海の海中は世界でも珍しく、がもうもうと舞ってる視界ゼロの海

今もどんどん川からの砂が堆積中で、それは百数十メートルにものぼるという。

ここ掘れわんわん状態ですね(笑)貴重な文化資料が無菌パックされている、、、

備前焼の歴史的発見の最たるものが、直島沖の海底で発見された「海揚がり」。

  日比野さんの言われる「一つの破片からの物語」は多くの物語を運んでくれそうww